45歳からの腐”活動

主にBL本の読書感想を書いています。たまにソロ活も。

緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼(みやしろちうこ)

こんにちは。八櫻🐰です。本日の読書本はこちら。

 

緑土なす(1)黄金の王と杖と灰色狼<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】

緑土なす(1)黄金の王と杖と灰色狼<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】

 

山奥で暮らす右足が悪い”足弱”。3歳の時に老人に拾われ、全てを教わった。老人の死後は一人で生き、たまに薬草を売りに麓の町まで足を伸ばす、という生活を続けていた。

ある時、その地を治める王と血縁関係があることがわかり、城で暮らすことに。

足弱は王になかなか心を開かなかったが、徐々に歩み寄っていく…

 

この歩み寄りは不器用な感じがいじらしくてとてもよかったです。最初は強引な王に圧倒され若干ショックを受けますが、それほどまでに孤独だったということでしょう。

王の住まいやお付きの従者なども細かく描かれていて、一気読みでした。

期間限定で分冊版1巻のみ無料で読書。もぅ続きが気になって!!!はやる気持ちを抑え、冷静になってから(?)文庫本を手に入れたいと思っています。

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手に入れた、その後。。。

さて、文庫本は400ページほど(厚さ1.5cm)あり、上下二段に分けて書かれているため、かなりの重量です。そのためか電子書籍は分冊でも購入できるようです。

今回は後半のご紹介です。

 

足弱(ラフォスエヌ)は33年間山奥で暮らす。老人に拾われ育てられ、老人の死後は全て1人でこなす。畑で薬草などを育て、人との交流はほぼない。

今世王(レシェイヌ)、ラセイヌ国王。12年前病により他の王族全て亡くなり、最後の王となる。

足弱が今世王の腹違いの兄だとわかり、同族しか愛せない王族ゆえ2人の交わりが始まる。

王族は異能を持っているとも言われ、交わることでも様々な影響を与える。

しかし、血が濃いからかなのか王族のみかかる王室病というものがあり、風邪の症状の後体に紅斑ができ、半年ほどで命を落としてしまう。12年前もこの病で皆を亡くしている。

 

日本でも以前はいとこや親戚などと所帯を持つ人もいたと聞いています。やはり血が濃いと問題も出てくるのだと思いました。

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宮殿内に禿山があり、足弱はそこに植樹したいと思いつく。はてさて、どんな植物が適しているのか?学ぶ時、苗を植える時、たくさんの人と触れ合う時。足弱は楽しく過ごす。

山の状態が気がかりな中、秋には王と御幸巡行へと南へ旅立つ。この旅は足弱の母親のお墓まいりも含まれるので、断るわけにはいかない。

 

山奥で何にも頼らず過ごしていたのに急に王族と言われて戸惑う気持ちと、少しずつ心を開いていく様子が丁寧に描かれていて、好感が持てます。

いつまでも偉ぶったり勘違いをしない足弱に、生き方を考えさせられます。

今世王の考えや配慮も素晴らしく、どんな立場でも心得ることがあると教えてくれます。

やはり根底に”愛”があればこそ、なのでしょうか。愛情を受けるのも表現することも素直になることも難しい私にとって、深く考える時間にもなります。

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足弱の母親の御墓参りを終え、さらに南下すると不毛地帯が広がっている。王の力が及びにくく荒廃が進んでいる場所である。

ここで2人はその地に立ち、土を手に取り『緑土なす』と唱える。

長い旅が終わり無事新年を迎え、春にせまる足弱の誕生日の準備をこっそり進める今世王。

その矢先、なんと王室病にかかってしまう。足弱は強制的に宮殿の外に出るより他なくなる。

 

待ってました!『緑土なす』。この地はいずれ緑が多く豊かな地になるのでしょうか。

そして衝撃だったのが誕生日の話。足弱は誕生日、という言葉すら知らないのです。老人につけられた名前も右足が不自由だから、とつけられた呼び名ですし、人が当たり前に享受していることも知らないことの方が多いのです。

ココ日本で暮らし、何不自由なく生活できていることだけでも幸せなのに、足りないものばかりに目がいく日常は…なんなのでしょうか?

物が溢れているのに、もっともっとと欲する自分を恥ずかしいと思いました。

最低限生活できれば贅沢なんていらない、BL本さえあれば!!!と思う今日この頃です。

 

王の病はどうなるのでしょうか?足弱は王と別れることはできるのでしょうか?今後の展開に期待しつつ、”読んじゃうと終わっちゃう!”という訳のわからない葛藤を抱えつつの読書です😅