45歳からの腐”活動

主にBL本の読書感想を書いています。たまにソロ活も。

美しい彼(凪良ゆう)

こんにちは。八櫻🐰です。本日の読書本はこちら。

美しい彼【SS付き電子限定版】 (キャラ文庫)

美しい彼【SS付き電子限定版】 (キャラ文庫)

 

凪良先生は本屋大賞を受賞されたり、直木賞にノミネートされたり、と話題の作家さんです。

美しい彼はドラマや映画化もされるそうです。

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平良一成、子供の頃から吃音があり、友達ができなかった。

清居奏、均整のとれた美しい佇まい。アイドルになりたい。

 

二人は高校2年生同じクラスで出会う。

4月最初の日、自己紹介をする時に平良は吃音が出ないよう細心の注意をはらったが、直前に立った清居のあまりの美しさに動揺し、名前をうまく言えなかった。それからは周りにあだ名で呼ばれたり、パシリにされるという日々を過ごす。

 

大人数の中での自己紹介、自身もあまり得意ではないのですが、そんなのとは比べ物にならないほど、平良は自分を守るために必死なんだと思います。ここでつまずいたら後がない、と。

結局清居のグループにパシリにされるのですが、その状況を受け入れ買い物や場所取りなどを甲斐甲斐しくやっているのも、自分を守るための手段なんだと思います。

人を当然のように顎で使う人間もまた、一人では何もできなかったり弱い部分を隠すために大きな態度をしているのですよね。

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清居は雑誌のオーディションに応募し、最終選考まで残る。結果は入選だったが、よく思わない連中が態度を変え嫌がらせをする。

そんな中でも平良は変わらず清居のそばにいて何かあればいつでも言って、という距離感を保つ。平良は、キツイけれど言動が一貫していて自分をあだ名で呼ばない清居に惹かれ、側を離れることができない。(ストーカー疑惑w)

そんな平良を気になり始めた清居。3年生になるとクラスも離れてしまうが、写真を通じて2人きりになる時間が増える。

 

恋心、まではないのかな?イヤでも、嫌いな相手と二人きりで会うなんてありえませんもの。特に清居くんに限っては絶対にないです!うんうん。

普段は、”うざ” ”きも”と言っているのに。心とは裏腹なことが口に出てしまうものですよね。

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大学生になり、清居は学生と芸能活動の二足の草鞋を履き、平良は大学デビュー(って今は言わないのかな?)してそれなりにお友達もでき、好意を持ってくれる友人まででき、笑って過ごせるようになった。

高校卒業式のある事件がきっかけでもう清居を追いかけないと決めていたのだが、偶然に会ってしまう。そこからの平良の行動は、清居一色に。そして清居も自分の気持ちに気づき…

 

正直、再会後の平良の行動はひゃ〜キモいって部分もありました、はい。だって大好きな相手ですもの、そうなっちゃうよね。

清居は自分の気持ちに素直になれず、その上自分から告白するなんてありえないので逆に離れようとしてしまうのですが、そこで清居が平良に対して思ったことが、『こいつは”俺さま”だ』という思いです。

俺さまって、偉そうにしたり大声で威嚇したり自分は正しいって主張したり。そういうことだと思っていました。でも平良みたく、自分は底辺で人との関わりが苦手でって遠慮がちに生きている人だって、”オレ様”になりうるのです。

自分中心に世界が回る。人間はそういう生き物です。でも、もう少し周りを見て感じて、慮ってほしい、という清居くんの気持ちもわかります。

 

今後2人の関係はどうなるのでしょう。『憎らしい彼』『悩ましい彼』とつながります。