45歳からの腐”活動

主にBL本の読書感想を書いています。たまにソロ活も。

パブリックスクール1・2(樋口美沙緒)

こんにちは。八櫻🐰です。本日はこちら。

パブリックスクール ―檻の中の王― (キャラ文庫)

パブリックスクール ―檻の中の王― (キャラ文庫)

現在6巻まで発売していますが、今回は1、2巻の感想です。

はじめに、パブリックスクールとは…

中世ラテン文法学校を起源とするイギリスの寄宿制の私立中等学校

だそうです。高貴な香りがプンプンしますね!

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1=檻の中の王=

中原礼(16)イギリス人の父親を持つ。12歳まで日本で育つ。

エドワード・グラームズ(18)貴族。この上なく優秀。礼の父親が祖父にあたる。

礼は翻訳の仕事をする母親と2人で日本で暮らす。忙しい母を困らせない事、幸せにしてあげることを思い日々を過ごしていた。

そんな時、母親が亡くなり礼は1人になってしまう。

身寄りもない中、母の遺言である”手紙を投函すること”を行うと、数日して”イギリス”から迎えがやってきた。詳しくは知らない父親からの連絡だと思い、家族になれる人がいるならと英国に行く決意をする。

しかし…父親は他界したという。その息子と名乗る(母親より幾分年上の)男性とその妻に迎え入れられ、あなたを保護すると言われる。

その2人には手を焼いている一人息子のエドワードがいた。

屋敷での生活は英語も十分に理解できない礼には寂しい場所で、エドだけが寄り添ってくれた。でもエドパブリックスクールに通っているため、長期休暇の時にしか会えない。

学校に通っていていじめにあっても守ってくれる人はいない。売春婦のこどもだと蔑まれ、反論しても味方になってくれる人はいない。貴族の青い血を汚した、と言われる。

 

それでもエドを好きになったことで自分は生きている甲斐があると希望を見出す。

それなのに。エドは自分のいるスクールに来てはいけない、日本に帰れ、裏切ったら許さない、と礼を突き放す。

礼はエドと離れるなんてできない、約束を破ってパブリックスクールに入学してしまう。

ここからが地獄の始まり。エドは2度と許さないと礼にきつくあたる。誰とも喋るな、目立つ事はするな、1人でいろ。自分が卒業したら日本に帰れ。

エド自身はプリフェクトで寮の代表。これは優秀な学生のみに与えられ将来が約束されるほどの地位。

表向き礼はエドの義理弟ということになっているので、どうしたって目立ってしまうから、とにかく静かに人と関わらずに生活するしかない。

 

そんななか礼は、絵の才能があるからと舞台美術の授業に参加するようオーランドという先輩から誘いを受ける。

エドは絶対に許してくれないだろうが、自分も変わる時だ、エドを諦める時だと勇気を振り絞って参加することに。

それからは礼も楽しくて、やっと笑えるようになった。人と関わり必要とされること。誰かの助けになること。充実した気持ちで溢れていたところ、エドに引き戻されてしまう。またお前は俺を裏切るのかと。

礼は意を決して、授業に参加したいしもうエドに愛されたいなんて贅沢言わず諦めると伝える。そこからエドの怒りは頂点に達し!礼は犯されるように抱かれてしまう。

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パブリックスクール ―群れを出た小鳥― (キャラ文庫)

パブリックスクール ―群れを出た小鳥― (キャラ文庫)

2=群れを出た小鳥=

礼とエドは狂ったように体を重ねる(それでも礼は、エドは腹いせに僕を抱いているのだろうと考える)。

少しずつ心が柔軟になる礼。エドは怖いしいつも怒っているようだけれど、優しいって知っているし、自分の知らない部分もたくさんあるだろうし、きっと少しくらい自分のことを愛してくれている。

舞台の授業に出て人と関わることで、礼の世界もグンと広がって行く。

 

う〜〜〜ん。それでも、エドが自分を好きだとは思えない礼くん。確かにエドの抱き方は強姦に近かったですが、キスもしてくれたのに愛だとは思えないなんて。

貴族の一人息子で子孫を残すためにも将来必ず結婚するし、人気者のエドが好きになってくれるなんて思い上がり、云々考えたら気持ちにストップがかかってしまうかもしれません。

それでも、2巻の前半で少ししんどくなってしまいました。礼くん、そこまで思い込まなくてもいいんじゃない?

とはいえ”かわいい”とどこでも人の目を奪う礼くん、モテモテなのです。性格も可愛くて頭も良くて。いい子って可愛い。見習おうと思います。

 

とうとうお別れの日。エドはスクールを卒業し、礼は日本へ帰国します。

そしてーーー月日は流れて8年後へ舞台は移ります。

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礼は美術関連の会社に勤めている。マルチリンガルの礼は翻訳や通訳などで大忙しの日々。東京のど真ん中、エドと…偶然会えたらなんて期待もしながら。

そんなある日エドが礼の会社にやって来た!驚きと喜びで胸がいっぱいに。卒業してからこれまで一度も連絡をしなかったのだから。

そして再会後は毎日メールや電話をするようになる。

それでも礼はまだエドが自分を愛してくれているとは思えない。その上自分の行動の甘さから、知り合いの男性に無理やり押し倒される事件が起きる。

エドがそんな礼を必死で守り、すれ違いばかりだった2人が最後はハッピーエンドに❤︎

 

結局言わないと通じない、ということでしょうか。推し量ることはできる、けれどもそれが違っていたら相手が迷惑だし自分も惨めになる、ということかな?

同性愛だと余計にその考えは常にあるのだと思います(この場合近親でもあるし)。言葉で表さない優しさ、ゆえにもどかしい。

自身は口から生まれて来た、思ったことを考えなしに口にしてしまい、いつも言い過ぎたと反省します。もう少し自分の考えに自信を持ち、相手の心を推しはかる行動をとりたい。自分を守る発言を繰り返すのはやめよう。

 

2巻まであっという間でした。yocoせんせの絵も繊細で大好きです!

長文おつきあいいただきありがとうございました!