こんにちは。八櫻🐰です。前回の続き、緑土なす2巻の後半です!
緑土なす(2)きみ抱きて大地に還る<電子限定かきおろし付>【イラスト入り】
分冊版ですと4巻となります。
前回、最後に後半の内容をチラと入れてしまいましたが、そこからの感想です。
これまでの記事はこちら↓
宮殿で落ち着いた日々を暮らしている間足弱は黙考し、拉致の時お世話になった人を中心に一同を集めるよう長官に依頼する。
自殺をしようとアレルギー食材を口にしたことを皆に謝り、このようなことを考えてはいけなかった反省している、と伝える。
そんな足弱を今世王は暖かく見守り、結婚をしたいと申し出る。男性同士の結婚に乗り気になれないが、肌を重ねている時に思わず「2年後なら」と口走ってしまう。
自暴自棄にならないでくださいとお願いされていたにも関わらず、生贄になるくらいなら死を選択する、失望が大きかったのだと思います。
愛する弟の死も覚悟した上での決断でしたから、その気持ちも痛いほどわかります。
でもやっぱり。。。どんなことがあっても死を選んではいけない、ということですよね。
辛いことや苦しい時もなんとか生き延びて見せる。強くなくてもいい、支えてくれる人が必ずいるから。
わたしはBLにはまって、心の底から長生きしたいって思ったんです。生きている限り読める限りいっぱい読みたい!って。こんな感情は初めてで自分でもびっくりしています笑
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今世王は婚約記念に様々な品を足弱に贈りたくて、あれこれと提案や持参をした。
拉致のとき折れてしまった杖は作り直し、次は豪華な冠を、と渡したその時…もうこれ以上物をくれるなら、結婚はなかったことにする!と言われてしまう。
それならば、何か希望はないのか?欲しいもの、したいことは???
すると、山に、以前住んでいた場所に行きたい。けれど豪華な馬車で行きたくない。それならお忍びで、今世王も一緒に、ということになる。
この山への道のりが!驚くほど遠く長く、今世王始め従者たちは皆文句も言わずについていくのです。
そしてそして。ここで一番好きなシーンがあります。川での休憩中、2人で笛を吹き笑い合いキスをします。うっとりする描写に挿絵も相まって素敵すぎです。何度も読み返しています!
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足弱という名前通り右足が湾曲していて早く動けない、痛みがでる、という自分の状態が皆に迷惑をかけていると気にやむ。特にことに及んだ次の日は起きられないほどに。
しかし、手伝ってもらうのも悪くはない、と思い直す。今世王も足弱を軽々と抱き上げ、それを苦に思うどころか頼って欲しいと思っている様子。
いよいよ西の果てまでやってきたが、そこからさらに数日かけて山の奥にいくと、以前住んでいた小屋までようやくたどり着く。
嬉しくて嬉しくて。こうして暮らしていたのだ、と日に日に足弱は”ここ”にいなくてはいけないと思うようになってくる。
育ての親の老人は、王室は倫理に反することをしていると厳しいほどに教え込ませていた。それを自分の考えにして生きてきた足弱にとって、宮殿に帰ることも同性で抱き合うことも意に反することだという思いが強くなっていく。
反面、人と関わることや肌の触れ合いに離れがたい思いもある。
葛藤の中、自分が王族だと証明されたものが見つかる。やっと自分を受け入れることができた足弱は今世王に『好きだ』と伝える。
小屋で数十日過ごした時は、えっどうなるの?どんどん気持ちが離れていってるよーー(TT)と心配になりました。
ただそれでもじっと待ち続けた今世王と従者たち。こんな山奥で不便なところで、文句ひとつ言わずにただ待っている。なんて心が広いのでしょう。
最後に足弱が弟のことを『おとこまえだな』っていうのですが、もう本当にそれ!どうしたらそんなに穏やかに笑っていられるのですか?
人は1人では生きていけない、そして知らない間にも誰かに助けられている。愛を持って周りを見渡すとどんなことも素敵に見える、という気持ちになりました。
「完結」という文字を見た時震えたのですが、改めて読み終わると嗚呼よかったと清々しい読後感があります。
2年後に結婚した、とかなり端折って書かれていたのですが、この間の出来事もあと3冊ありますので、描かれているはずです、よね?
緑土も増えてますます豊かになっていくラセイヌ国と、レシェイヌ&ラフォスエヌのお話の続きにワクワクが止まりません。